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その子供は愛されることを知らず、愛することも許されず、ただひたすらに愛情を求めながら、やがて心を知らぬ怪物へと姿を変えた。

※折りたたんだ先の閲覧は自己責任で。






ヘンリー・リー・ルーカス(Henry Lee Lucas)
ヴァージニア州 1936.8.23 - 2001.3.13
別名:360人殺しのルーカス


ハンニバル・レクターというキャラクターをご存知だろうか?
「羊たちの沈黙」に登場する、最厳重監視病棟の囚人の身でありながら、その頭脳と知識をもって世に影響を与え続ける人物だ。
厳戒棟の奥深くで特別捜査官として操作に協力したルーカスは彼のモデルであり、まさに現実としてそこに存在したハンニバル・レクターである。


ヘンリー・リー・ルーカスは、あらゆる変態行為を喜んで行う売春婦ヴィオラ・ルーカスと両足のないアンダーソン・ルーカスとの間に生まれた。
娘にも売春行為をさせて稼ぎを上げようと目論んでいたヴィオラは、男の子であるヘンリーがうまれたことに落胆し、アンダーソンはヘンリーという名をつけたがそれを無視してヘンリエッタと名づけ、彼を女の子として扱った。

元々望まれた生ではなかったヘンリーを、ヴィオラはことあるごとに殴りつけた。
この頃の虐待により、ヘンリーの脳は重い障害を持つことになる。
「幼い頃の記憶なんて、ものすごい力で投げつけられたり殴られたり、女の格好をさせられたり、お袋が知らない男とセックスしてるのを眺めてるくらいしかないよ」
ヘンリーは、子供の頃の家庭内の状況をそう語っている。
彼が過去を回想して一番最初に思い出すのは、ヴィオラが客の足を拳銃で打ち抜くシーンだった。狂ったような母の笑い声が部屋に響き、足から真っ赤な血をしたたらせる客が、ヘンリーの首を絞めてきたという。
父親のアンダーソンは酔って線路に落ちたところを列車に引かれて両足を切断した。
そんな彼をヴィオラは口汚くののしったが、アンダーソンは特に何がしかの反抗を見せる様子はなかったという。アンダーソンはマゾであり、包帯を巻いた両足をヴィオラに踏みつけてもらって射精するような男であった。


他に生きる道もなく、ヴィオラの虐待に耐えていたヘンリーに、二人の小学校教師が救いの手を差し伸べた。
アニー・ホールとローリー・グローバーである。
二人はルーカス家の家庭環境に愕然とし、ヘンリーを助けるために奔走した。
その結果ヘンリーは真新しいズボンを手に入れ二人の教師から「生まれて初めて」暖かい食事をもらい、ヴィオラは自分の思い通りにならない現実にパニックを起こした。
ほんのわずか自由を手にしたかに見えたヘンリーだったが、これを契機にヴィオラの折檻はより激しさを増した。
ある日暖炉にくべる焚き木を探しに行くことになったヘンリーは、急かす母親に「ちょっと待って」と返した。それを聞いたヴィオラはどこからか大人の腕ほどの角材をもってくると、振り向いたヘンリーの頭を力任せに殴りつけた。
一撃で昏倒したヘンリーに、ヴィオラはなおも角材での打撃を与え続けた。
そして頭皮が半分ほど向け、頭蓋骨が割れた我が子を屋外に蹴りだすと、酒を飲んで眠りこけてしまった。ヘンリーが発見されるのはそれから38時間後、ヴィオラのボーイフレンドが彼女の元を訪れたときのことである。
奇跡的に回復したヘンリーだったが、この傷が元で癲癇を起こしたり、突然昏倒するようになった。

あるとき、8歳になったヘンリーが雪の積もった道を裸足で歩いていると後ろから近づいてきたトラックの運転手が彼の横で車を止め、少年が裸足であることに驚いて靴と靴下を買ってくれた。
ところがこれも母の気に触ったらしく、家に帰るなり気絶するまで鞭で殴られた。
後日、トラックの運転手夫婦がルーカス家を訪れる。夫婦は、ヴィオラに向かってヘンリーを容姿に欲しいと伝えた。それを聞くや否や、ヴィオラはヘンリーは自分の奴隷なのだと鼻で笑い、口汚い言葉で夫婦をあざ笑い下着を下ろして股を広げてみせた。
夫婦はショックで青い顔をして去っていった。

ヘンリーには腹違いの兄がいた。
兄はほとんど家に寄り付かず教会や民家の軒下などで暮らしていた。ヘンリーはよくヴィオラの目を盗んではこの兄と遊んだ。
夏休みのある日、森で遊んでいるときに兄がナイフで木の枝を切り落としていると偶然そこへヘンリーが顔を出したため、彼は弟の左目を切り裂いてしまう。
幸いなことに眼球の損傷は大したことはなかったが、ひどく出血し激痛が続いた。ヴィオラの叱責を恐れた兄弟は二人だけで傷口を洗い、応急処置をして放っておいた。
家にもどったヘンリーの左目を見たヴィオラは、「まぬけ」とののしるとほうきの柄で息子の顔を突き、彼が呻くのを見ながら眠ってしまった。


傷はたちまち化膿し、顔の左半分が大きく晴れ上がり、視力が極端に落ちて幻影を見るようになった。
やがて学校が始まりヘンリーの惨状を見たアニーは驚いて彼を医者に連れて行く。
失明の危険があり、左目には触れないようにという言いつけが守られることはなかったが、それでもヘンリーは母がほうきを持ち出してくると体のほかの部分で極力目をかばうようになった。

グローバーが授業を行っているときのことであった。
ヘンリーの前にいる少年が、他のクラスメートにしきりにいたずらをするため、グローバーは注意のために教壇を降りて少年の元に向かった。
しかし注意をしても少年がいたずらをやめる気配はない。苛立ったグローバーは、思わず手に持った定規を振り上げてしまう。
少年は頭を下げて避けたが、定規はそのままヘンリーの左目を直撃し、破壊した。
このことを知ったヴィオラは喜び、ヘンリーに好意的であった教師二人を罵った。
そして彼女は学校から今後二人の教師をヘンリーに近づけないという約束を取り付ける。
数日後にグローバーは街を離れ、アニーも学校を去る。
ヴィオラは学校側から治療費として渡された金で安い義眼をヘンリーに与え、残りは全て自分の酒代としてしまった。

こうしてヘンリーは、救いの手も逃げ出す道も、あらゆる可能性の全てを失った。



※長いので二つにわけます…。続きは後日。
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